UIのさわりごこち

触って、なるほどと思うためのサイト

第03室

ラジオボタン

いくつかの中からひとつだけを選ぶ丸い部品です。

操作

触る

触るとどうなるか

ごはんの量

まだ選んでいません

操作のしかた

マウス
  • 乗せると行が色づく
  • 丸か文字を押して選ぶ
キー
  • Tab入る
  • ↑↓動かして選ぶ
  • Space選ぶ
タッチ
  • 丸か文字をタップして選ぶ

解説

読む・見比べる

なぜ気持ちいいと感じるのか

ほかを選ぶと、前の選択がひとりでに外れる

テレビのチャンネルを変えると、前の番組は消えて新しい番組だけが映ります。ラジオボタンも同じで、ひとつを選ぶと同じまとまりのほかの選択は自動で外れます。外す手間がいらないので、選ぶことだけに気持ちを向けられます。選んだ丸をもう一度押しても外れず、外れるのはほかを選んだときだけです。新しい丸に点が入るのと、前の丸の点が消えるのが同時なら、入れ替わったことが一度で見て取れます。人が「すぐ」と感じる時間はほんのわずかだと言われています。

ごはんの量

新しい丸に点が入るのと同時に、前の丸の点が消えます。

丸い形は「ひとつだけ」の合図

マークシートの答えの欄はひとつだけ塗りつぶす丸い形をしていることがよくあります。画面の部品でもラジオボタンは小さな丸で、選ぶと中に点が入ります。いくつでも選べるチェックボックスは小さな四角です。多くの画面でこの形がそろえられてきたので、押す前からひとつだけ選ぶのか、いくつも選べるのか見当がつきます。

ごはんの量

見ただけでひとつだけ選ぶ部品だとわかります。

選択肢がぜんぶ見えていると比べやすい

食堂の店先に並んだ食品サンプルなら、メニューをめくらなくても、見比べてひとつに決められます。ラジオボタンも選択肢をはじめからぜんぶ画面に出しておきます。開いて選ぶ一覧は、開くまで中身が見えません。ぜんぶ見えていれば見比べながら選べます。選択肢が少ないときは、一覧に入れるよりラジオボタンで並べたほうがよいことが多いとされています。中身をたしかめるためだけに一覧を開き、何も選ばずに閉じる人も多く見られました。ただ、選択肢が多いときは一覧のほうが向くとされています。

受け取り方法

4つの選択肢が縦に並んでいます。開かなくても見比べられます。

丸だけでなく文字を押しても選べる

引き出しは細いつまみより、広い取っ手のほうが開けやすいものです。ラジオボタンの丸はとても小さいので、となりの文字まで押せるようにしておくと、ねらう的が大きくなります。文字と丸を結びつけておけば、文字を押しても丸が選ばれ、細かい手の動きが苦手な人の助けにもなります。的が大きいほどねらいやすいという考え方にも沿っています。

ごはんの量

丸と文字のどちらを押しても選べます。

名前の由来

ラジオの選局ボタンから画面の丸へ

ラジオボタンという名前はラジオの選局ボタンから来ています。ひとつを押すとほかは切れて、一度に聴ける局はひとつだけという動きが同じだからです。アップルの1985年の資料は、カーラジオのボタンのように動くのでこう呼ぶと説明しています。マイクロソフトの資料は、ラジオの選局ボタンのように働くからと書いています。ただ、使う人向けの文書では「オプションボタン」と呼ぶよう決めています。押しボタンで局を選ぶラジオは、1930年代の終わりごろには売り文句になっていました。

革張りで持ち手の付いた黄色いラジオ。ダイヤルの下に白い押しボタンが4つ横に並んでいる。
図ストックホルムの技術博物館に展示されている、1960年代のトランジスターラジオです。

1981年のゼロックスのスターにもひとつだけを選ぶ設定がありました。ただ、形は丸ではなく四角を並べたもので、選んだものを白黒反転して示していました。「ラジオボタン」という言葉はアップルの1982年の草稿に、チェックボックスの一種として出てきます。1984年の草稿では丸いチェックボックスのような形をした、別の部品になっています。名前のほうが丸い形より先にあったことになります。

ウェブでは1995年の規格で定められました。このころはどれも選ばれていなければ、ブラウザが最初の選択肢を選ぶ決まりでした。いまの規格ではどれも選ばれていない状態も認められています。

脚注

  1. 1

    W3C「Understanding WCAG 2.2: 1.4.11 Non-text Contrast」。部品とその状態を見分けるのに必要な見た目は、となりの色と3:1以上のコントラストにするよう求めています(レベルAA)。図では、灰色(#949494)の空の丸を既定の状態、となりの色と見分けられる塗りを選んだ状態として示す例を合格としています。ラジオボタンは標準ではホバーで見た目が変わらないので、作り手が足したホバーの見た目は3:1を満たさなくてよいとしています。無効の部品は対象外です。

  2. 2

    W3C「Understanding WCAG 2.2: 1.4.1 Use of Color」。色を、情報を伝えるただひとつの見た目の手段にしないよう求めています(レベルA)。ラジオボタンの選んだ状態について直接は書かれていません。

  3. 3

    GOV.UK Design System「Radios」。選択肢を最初から選んでおかないよう求めています。選んでおくと、質問を見落としたり、違う答えのまま送ったりしやすくなるためです。一度選ぶと、ブラウザを読み込み直さないかぎり何も選んでいない状態に戻せないので、合うなら「どれにもあてはまらない」「わからない」を足すよう勧めています。

  4. 4

    Kara Pernice「Radio Buttons: Select One by Default or Leave All Unselected?」Nielsen Norman Group、2014年。たいていは最初からひとつ選んでおくことを勧めています。作業が早くなること、選び直して元に戻せること、何も選んでいない状態には一度選ぶと戻れず混乱することを理由に挙げています。性別のように決めつけになる項目や、多くの人が何を選ぶかわからない項目では選んでおかないこと、選んでおく前に試してたしかめることも書いています。

  5. 5

    W3C WAI「ARIA Authoring Practices Guide: Radio Group Pattern」。Tabキーでまとまりに出入りし、入るときは選んでいるボタン、なければ最初のボタンに移るとしています。Spaceキーで選び、矢印キーで次や前のボタンへ移ると、前の選択が外れて新しいボタンが選ばれます。端では反対側へ回り込みます。ツールバーの中のまとまりでは、矢印キーはフォーカスだけを動かします。

  6. 6

    IBM Carbon Design System「Read-only states pattern」。無効の部品は読み上げで伝わりにくく、コントラストの基準も満たさないため、読んでもらいたい情報には使わないよう勧めています。

  7. 7

    WHATWG「HTML Living Standard」4.10.5.1.16 Radio Button state。あるラジオボタンが選ばれたら、同じまとまりのほかのラジオボタンは選ばれていない状態にしなければならないと定めています。どれも選ばれていなければ、どれかが選ばれるまでぜんぶが選ばれていない状態で表示されます。

  8. 8

    Microsoft「Guidelines for radio buttons - Windows apps」Microsoft Learn、2025年。ほかのボタンを選ぶと外れるが、同じボタンをもう一度選んでも外れないと書いています。一度選ぶと何も選んでいない最初の状態には、使う人の操作では戻せないとしています。

  9. 9

    Jakob Nielsen「Response Times: The 3 Important Limits」Nielsen Norman Group、1993年。0.1秒はすぐに反応したと感じる限界のおよそだとしています。応答の時間一般についての目安で、ラジオボタンで測った値ではありません。

  10. 10

    Jakob Nielsen「Checkboxes vs. Radio Buttons」Nielsen Norman Group、2004年。ラジオボタンは小さな丸で、選ぶと中に塗った点が出る、チェックボックスは小さな四角で、選ぶとチェックかXが出るという標準の見た目を挙げています。選択肢がぜんぶ見えて比べやすいので、できればドロップダウンよりラジオボタンを使い、縦に1行ずつ並べるよう勧めています。的が大きいほど速く押せるので、丸だけでなくラベルを押しても選べるようにすることも勧めています。

  11. 11

    Apple「Human Interface Guidelines: Toggles」。ラジオボタンは小さな丸いボタンにラベルが続くもので、ふつう2〜5個のまとまりで、どれかひとつしか選べない選択肢を示すとしています。選んだものは塗った丸、選んでいないものは空の丸で表します。この説明は macOS の節にあります。

  12. 12

    Lars Söderlund「Drop-Down Usability: When You Should (and Shouldn't) Use Them」Baymard Institute、2018年(2025年更新)。選択肢が5個より少ないか10個より多いとき、ドロップダウンはふつう向かず、1〜4個ならラジオボタンのほうがよいことが多いとしています。テストでは、選択肢の少ない任意の項目のドロップダウンを、55%の人が中身を見るためだけに開き、何も選ばずに閉じました。買い物の支払い画面での観察で、アンケートやアプリでは違うこともありうると断っています。

  13. 13

    Microsoft「Radio Buttons」Windows 7 向けの UX ガイド、Microsoft Learn。ラジオの選局ボタンのように働くのでそう呼ばれると書いています。選択肢は2〜7個に収め、8個以上ならドロップダウンなどを使うよう勧めています。ドロップダウンはいま選んでいるものに目を向けさせ、ラジオボタンはすべての選択肢を同じ重みで見せるという違いも挙げています。技術の文書では radio buttons、それ以外、特に使う人向けの文書では option buttons と呼ぶよう定めています。

  14. 14

    W3C WAI「H44: Using label elements to associate text labels with form controls」。label 要素で文字と部品を結びつけると、文字を押しても部品が動き、押せる範囲が広がるとしています。手の動きに障害のある人に役立つと書いています。

  15. 15

    Raluca Budiu「Fitts's Law and Its Applications in UX」Nielsen Norman Group、2022年。的に届くまでの時間は、的の大きさと距離で決まるとしています。アイコンに文字を添えて全体を押せるようにすると、的が大きくなります。ラジオボタンそのものについての記事ではありません。

  16. 16

    Apple「Inside Macintosh」販促版、1985年。ユーザーインターフェースの指針の章(1984年11月30日付)に「They're called radio buttons because they act like the buttons on a car radio.」とあり、丸い形で、オンのときは黒い丸で塗られると書いています。スキャンの文字起こしでたしかめたもので、ページの画像は見ていません。

  17. 17

    Richard Arnold「Push-Button Tuning and the Philco 41-225」Antique Radio Classified。Radio News 誌1937年12月号を引いて、1938年型のラジオでは押しボタンでの選局が、販売店にとっていちばん強い売り込みの材料だったと紹介しています。押しボタンの仕組みは電気式やモーター式などさまざまでした。Radio News の原文はたしかめていません。

  18. 18

    Xerox「STAR Release 1 Product Software Functional Specification」1981年4月15日版。少ない選択肢のうち、いつもひとつだけが有効な設定を choice parameter と呼び、選択肢を四角につなげて並べ、有効なものを反転して表示するとしています。ひとつを選ぶと前の選択は外れます。文字起こしの中に radio という語は見当たりませんでした。

  19. 19

    Apple「Inside Macintosh」1984年版の草稿(1982〜1984年の草稿を含む)。1982年10月11日付の章は、ひとつだけ印を付けられるチェックボックスの組を、引用符つきの "radio buttons" のように働くと説明しています。1984年5月30日付の Control Manager の章では、ボタンやチェックボックスと並ぶ部品として挙げ、画面では丸いチェックボックスのように見え、オンのものは小さな黒い丸で塗られると書いています。スキャンの文字起こしでたしかめたもので、ページの画像は見ていません。

  20. 20

    T. Berners-Lee, D. Connolly「Hypertext Markup Language - 2.0」RFC 1866、1995年11月。同じ name の TYPE=RADIO の組を、いくつかの中からひとつを選ぶ欄としています。組のうちいつもちょうどひとつが選ばれていて、どれにも CHECKED がなければ、ブラウザが最初のものを選ばなければならないと定めています。

  21. 21

    Daderot「Radio receiver, transistor, AGA, 1960s, TeM48048 - Tekniska museet - Stockholm, Sweden」2014年撮影。ストックホルムの技術博物館(Tekniska museet)に展示されている、AGA 製のトランジスターラジオです。CC0(パブリックドメイン提供)です。

出口

次の部屋へ

スタンプを押して次の部屋へ

記念スタンプ

第03室ラジオボタン